中庭のある家

魅力ある中庭や外部空間に興味があり、中庭のある家を写真や間取りで紹介しています。

中庭のある家づくり|ブログ

中庭のある家に興味があります。中庭は内と外の接点でもある魅力的で曖昧な場所。 開かれた中庭のある家づくりを目指しています。

☆ 中庭と水盤のある家 ・雨とともに暮らす

☆ 中庭と水盤のある家
・雨とともに暮らす

雨降りは嫌だけど雨もいっぼ視点を変えてみて視覚的に取り込めば、魅力的ではないですか。
ゲリラ豪雨も一見嫌だけど客観的にながめれれば、それはそれで劇的でドラマチックな様子はとても面白く楽しく見えませんか。
雨=水を、身近に感じる方法のひとつとして水盤がある。これをよく家づくりに取り入れるが、水を身近に感じて視覚的にもリビングから見れることはとても魅力的なことだと思う。
その水盤は家の中庭にあればいいと思う。それも雨の水が溜めれればエコロジーでなお楽しくなり、その水のゆらぎも感じられる。そんな「中庭と水盤のある家」をご紹介させて頂く。
雨水の水盤を作ることは空とつながり、水とふれあうことで自然とつながり、また光の変化も感じれる場所となる。その場所をどこにするかだが、庭でもよく屋上などちょっと視点を変えてみればどこにでも空いたスペースはあると思う。


諏訪の家
☆ 空中庭園がこの家のエントランス~!SOHO、諏訪の家。

☆ 空中庭園がこの家のエントランス~!SOHO、諏訪の家。
ここは斜面地のためアプローチが難しく、長らく放置されていた場所でした。
長らく眠っていた土地を何とか蘇らせ、資産価値もアップさせればと。そこで、少し視点を変えてみて、屋上へ直接繋げることで、この問題を解決できるのではないか。そして、ブリッジで道路と屋上を繋げることで、傾斜地を活した屋上庭園がうまれ、さらに壁で三方を囲うことで、落ち着いた中庭空間もできました。そのおかげで、諏訪湖畔が一望できる中庭には、魅力的な水盤とデッキを設け、空中庭園のある家となりました。





・雨水利用のきっかけ|ビフォーアフター・帰れない家
水盤をはじめに作り始めたきっかけは、ビフォーアフターに匠として出演した時でした。小さな長屋の大改装の現場に小さな水バチがあり、泉水(せんすい)といわれて花屋が水を張って沢山の花などをいける為に使われたものがあった。それを長屋にこの泉水を何かに再利用することがきっかけだった。
小さな中庭を作りこの泉水を片隅に設置し、水盤をつくってみた。そこに屋根からの雨水を溜めれるようにして、そこからさらにこぼれ落ちる水を中庭の真ん中に流れるようにし、あたかも水琴窟があるかのような中庭をイメージして水抜き穴を作ってみた。
その時の匠の名前が、「風と光の造形師」と、とてもいいネーミングを頂いた。そこで、「風と光と水」というテーマで、この小さな長屋の改装をやり始め、水盤を作る楽しさを感じたのが始まりだった。
水とともに暮らすといっても、身近に具体的に何かを作らないと実感しないので、ちょうど水と接するいい機会となった。

・雨水利用のタンクのある家|震災復興の長田の家
もともと雨水には興味があり何かに活かせないか、雨水タンクの設置や雨水利用に何かに出来ないかと常ひごろ思案していた。ちょうどそんな時に神戸の大震災があり、たまたま長田地区で家が焼けた方からの依頼があった。その山手にあった長屋の立て直しのとき、辛い経験のおかげて防火水槽を欲しいとのことで地下に設置を希望された。そこで地下タンクを設置して、手押しポンプで汲み上げて生活の中で具体的に雨水を使えるように提案し、それが実現された。
さらに発展させて家の中でトイレやその他にも水が使えれるようにできれば、さらにいいと思ったが、コストの問題などでこの時には実現できなかった。

・思わぬ効果|1/f、のゆらぎ
光は水面に反射して、その照り返しを軒天井にあたると、とても魅力的なゆらぎができる。その日の照り返しは、時間とともにゆっくりとうごめき、興味深い動きをする。
このゆらゆらとした動きは、まるで時間が止まったような感覚で何ともいえなくおだやかで、幸せな空間に引き込まれていき、至福感を味わえる瞬間だと思う。こんなことが、簡単に自宅で楽しめれれば素晴らしいと思いませんか。

・中庭をつくる魅力とは
市街地や都心部ではその環境にもよるが、限られた制約の中で豊かな住空間を作るため、光と風を最大限に取り入れるための方法のひとつとして中庭を設ける機会が多い。それは建ぺい率という制約もあり、これは敷地にいっぱい建てれなく空地を設ける必要がある。この空地をうまく利用して中庭などに置き換えればとても魅力的な外の部屋が生まれる。敷地いっぱいに建物や壁で取り囲むことで外部空間を作ることができる。
その外部スペースである中庭に面してリビングを配置し、そこから大きな開口部を設けて出来るだけ開放的に作る。そうすることで狭さを感じずに、またプライバシーをも確保出来る安心な場所となる。そして、フレキシブルに開閉出来るガラス扉を設ければ、その時の気分によって空間の変化を存分に楽しめることができる。
さまざまな都市部や市街地の環境の中で、間取りを検討していく時には、外部空間はとても魅力的な外の部屋のひとつ。狭い敷地だからといって詰め込み式の条件の悪い部屋を多く作らない事は大切なポイント。
この中庭を設けることは余白をつくること。気持ちの余裕、生活のなかでの、心のゆとりにもつながる魅了的でとても大切な部分となる。



BREATHの水盤
☆ 1/f ゆらぎ|穏やかな時がながれる中庭のある家・BREATH

☆ 1/f ゆらぎ|穏やかな時がながれる中庭のある家・BREATH
手づくりのものや自然素材には1/f ゆらぎ、があるそうです。1/f ゆらぎとは、小川のせせらぐ音、木漏れ日、蛍の光り方などです。水盤からの照り返しの魅力的な「ゆらぎ」はポーチや室内のホール土壁と古材の梁にあたりゆっくりとうごめいていきます。この中庭ではゆっくりとした時間が流れまるで時が止まったかのような空気感や気配も感じられます。ゆらぎは生体に心地よさを与えてくれます。

BREATHの中庭
手づくりのものや自然素材には1/f ゆらぎがあります。



☆ 中庭と水盤のある家|上新田の家
抜けるような開放感と水盤からの光が天井を照らし「ゆらぎ」が静かにうごめくリビング。この家には、住む者にしか味わうことのできない特別な空間が存在する。
敷地は大阪の市街地、豊中市に新しく区画整理された土地。この計画時では近隣は更地で、まもなく新しい街並みが予想されたが、北側隣地のマンションから見下ろされるという大きな不安。そして、ご要望は外部空間を生かした開放的で快適な住まいを希望されたが、周辺環境を考慮するとプライバシー、セキュリティの観点からも、たんに開放的なだけの住居とするには不安があった。

・プライバシーをコントロールする三つの扉
コの字型に囲むような間取りの配置で、南向きに開かれた中庭。まず門のような大きな扉をくぐり、中庭へとアプローチし、こに面して玄関がある。また水盤の脇にある大きな引き戸は中庭と外部の通りと分け隔て、開閉する事で距離感も生まれ、空間の性質を変えらる。さらに内と外を仕切るワイドサッシを引き込むことで、リビングと中庭とが融合する。これらの三つの扉によってこの家の空間の性質だけではなく、プライバシーも自由にフレキシブルにコントロールが可能となった。

・四つの性格の異なる庭で空間演出
大小さまざまな外部スペースの、中庭、光庭、坪庭、内庭、空庭を配置し半屋外の魅力的な場所となった。ガラス扉を壁に引き込むことで、開放的となった広間であるリビング・ダイニングは、この大開口によって内と外とがつながり、魅力的な空間の演出が可能となりました。
そして、水盤からの光がリビングの天井に「ゆらぎ」をもたらします。その光は静かにうごめき、まるで時がとまったかのようです。

・プライバシーを守る水盤と演出効果
空庭に降り注いだ雨水は樋をつたって、和室前の光庭の石臼に落ち、あふれ出た水が中庭にある水盤へ。床続きで作られた水盤は、3m 四方でわずか5cm の深さと浅いもので、雨が降れば水はいつも綺麗に循環します。中庭の水盤は大きな演出効果を持つと同時に、雨水利用のエコロジー的な潤いがあり、この家のプライバシーも守ってくれています。

上新田の家
大きな引き戸を引込めば開放的となる中庭。
大きな引き戸を引込めば開放的となる中庭。水盤からの光がリビングの天井を照らし、「ゆらぎ」が静かにうごめきます。その境界の水盤、大きな引扉、エントランスの回転扉、そして中庭が家のプライバシーを守っています。



上新田の家の水盤
中庭の水盤に写り込む白い壁。
中庭の水盤に写り込む白い壁。そして離れの和室と光庭。


上新田の家のリビング
水盤からの光がリビングの天井を照らす「ゆらぎ」
水盤からの光がリビングの天井を照らし「ゆらぎ」が静かにうごめきます。


屋上庭園の水盤
☆ 爽やかな風が、雨上がりの今朝の水盤~!
☆ 爽やかな風が、雨上がりの今朝の水盤~!
とても気持ちのいい朝、帆布もゆっくりとたなびいて。。水面がまるで鏡のように、その動きを映してくれました。こんなにも優雅な屋上庭園を、みるのも久しぶりです。空気感や気配みなぎる中庭のようで、まさに今朝は空中庭園と化したような気がしました。