中庭のある家

魅力ある中庭や外部空間に興味があり、中庭のある家を写真や間取りで紹介しています。

中庭のある家づくり|ブログ

中庭のある家に興味があります。中庭は内と外の接点でもある魅力的で曖昧な場所。 開かれた中庭のある家づくりを目指しています。

マトマタの間取り



マトマタの地下住居群

地上から約10mほど掘り下げたところに中庭(光庭)を作り、その廻りに面して地下の土を掘って出来た部屋を配置しています。地上の入り口からゆるやかな階段をおりていきますと、この中庭に突然出てきます...

中庭はこの地域にはたくさんあり群をなしていますので、このあたりは穴ぼこだらけで、夜にうろうろしてましたら落ちてしまいます〜

この中庭をいくつか共有して、一部ではホテルとなっていました
また、スターウォーズの撮影場所としても使われた事でも有名です...

この興味深いチュニジアのマトマタの穴居住居の間取りを見つけました...
http://www3.ocn.ne.jp/~archm/matomata-plan.jpg


マトマタの中庭の由来...

サハラ砂漠が、モロッコアルジェリアチュニジアと続き、地中海に入り込む海岸に位置する土着的な最大のオアシスの都市、ガベスから内陸部に約二十キロ入った、サハラ砂漠入り口の乾燥地帯にこのマトマタの中庭型集落群がある...

マトマタ地方の集落の原型は、イスラムベドウィンに追われたベルベル人が、地層が削られてで出来た山頂を利用した砦状の横穴式集落であった。しかし山中では水や耕作地の確保が大変難しかった為、また対立していたベルベル人とアラブ人の混血化も進み、砦から近くの水源のある山服に新たな集落が形成する。そしてさらに、山中から平原丘陵へ下ってきて、この中庭型の穴居住居の集落を形成していく事になる...

マトマタの住居の特徴は、地表面のあちこちに口を開けた穴を通して中庭での生活の様子が眺められ、各住居の入り口が設けられている窪地は、ここに面する住居グループに対し小広場としての役割をはたしている...

家の作りは、直径および深さが約十メートルの中庭と、それに付随した横穴式の部屋から構成されている...
建築材料としては、固くない岩、ヤシの木の木材、そして大地の赤茶けた土のみだけで出来たいたってシンプルなもの...

乾燥地帯という気候風土から、乾燥していて湿気の問題はなく、土は夏の強い日射しや、冬の寒さ、夜間の冷え込みに対して十分な断熱性、保温性がある...

風のよく吹きあれる地域であるので、風の吹かない身近な屋外空間が必要な事から出来た中庭は、多用途に利用されて住居の中心となる...

中庭へは窪地から階段状の約10〜20mのトンネルでアプローチされ、また飲み水は、穴の周囲に掘った溝からまれに降る雨水を導いて集めて蓄えている...


マトマタの住居は一見極めて奇異なものに見えるが、身近な材料と継承されてきた構築技術を活用し、この地方の気候風土にあった独自の住居形態を生み出した結果生まれたものである...


なぜ、この様なマトマタの中庭に興味を引かれるのかであるが、日本の住居では多くの材料、構法などが多くはんらんする中で、このマトマタの中庭住居の単純な構成、原始的、シンプルさなどに興味がひかれる...

地上から見れば、中の生活が丸見えであるが、ぽっかり口を空いた中庭の空間が特に魅力的である...



チュニジアの中庭...マトマタ